空を飛んだ

【 原付免許・・・ 】

 私が高校生になって、直ぐに取りたかったものがありました。
それは、原付免許です。
16歳の誕生日を迎える高校1年の夏に、原付き免許を所得しました。
これで、自転車通学からバイク通学に移行出来ると、学校に申請します。
しかし、学校までの距離が5キロ未満は認めないと、念願のバイク通学がいとも簡単に却下されてしまいました。

 特に仲の良かった同級生もチャリ通(自転車通学)でしたが、彼の自宅の場所を聞いてびっくり。
毎日数キロも曲がりくねって続く標高差500メートルの急な坂道を、1時間半以上かけて登下校していたことに。
学校から自宅までの距離は、2キロ程度。
一緒に申請した彼は許可が下り、当然、私は不許可。

オートバイク 免許取りたての頃というものは、乗り回してみたいのが常。
特に、16歳という年齢もそれに拍車をかけていたように思います。
用もないのに、学校が終わればバイクを動かす。
日曜ともなれば、尚(なお)の事。

 以前の記事《ありえないものが見えてしまった》の中で、麦わら帽子をかぶったマスク女性を見かけていたこの道路は、500メートル以くらいはある道幅4メートル弱の狭く舗装もしていない直線道でした。

 この話は、その道路の中間地点に高さ4、5メートル幅7,8メートルほどの小さな川が流れていて、川の両側に幾つもの生竹(なまたけ)の杭によってきれいに固定されたばかりの緑々しい芝生が映えていた頃の事です。

 当時の50ccのバイクは、スーパーカブやモンキーのような軽量のものより、90~125cc並みのガタイをしているものが多くありました。
もちろん、私の乗っていたバイクもガタイはデカいものです。
更に、50ccのバイクはヘルメットの着用が完全義務化されていなかったので、当時の私もノーヘルでした。
スピード規制も緩く、直線の長い田舎道などは、ついスピードが出てしまいます。 


【 空を飛ぶ 】

 その日は、フルアクセルだったので、おそらくは70キロは出ていたかもしれません。
人も車もそんなに通らない田舎道のはずでした。
前から来た軽トラックが、道の真ん中を走って来ます。
こちらがバイクとはいえ、道幅の狭い道路。
お互い左に寄るのがマナーで常識のハズ。

 この道は、ガードレールもない田舎道でした。
寄り過ぎれば、脱輪する場合も。
そのトラックのドライバーの運転が下手だったのか、前を見ていなかったのか。
左に寄りもせず、ど真ん中をスピードも落とさず向かって来るのです。

 やばいと感じた私が、路肩ギリギリを通過しようとした考えた瞬間でした。
私のバイクに気付いた運転手が何を思ったのか、ハンドルをやや右に切ったのです。
『やばい!・・・・』
ちょうど目の前に、あの小さな川が。

 気づけば、バイクに跨った(またがった)私が宙を舞っていました。
川を飛び越えるように、空を飛んでいたのです。

 左に寄せ過ぎるしかなかった。
思う間もなく、川を飛び越えろとばかりに、前輪を勢いよく持ち上げます。

 『あ~っ、あと、数十センチ足りない・・・・・・。』
『やっちゃった・・・。』
『バイクが壊れる・・・。』
『父親になんて言い訳しようか・・・。』
わずか一秒もない間に、いろいろ考えることの出来る不思議を経験しました。

 投げ出された私の眉間の前には、芝生を止めていた生竹の杭が。
危機一髪、大けがをせずに済んだのです。
真上を見上げれば、土手の芝生に前輪の突き刺さったバイクが、宙に浮いていました。

 少しずつ傾きかけている車体に驚き、慌てて土手を登り、バイクを支える私です。
数十分を掛け、土手からやっと引き上げることに成功した道には、誰もいませんでした。


 次回は、〝空を飛ぶ2”。
バイクの続きの話ではありません。
違う話です。





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コメント

YB1ですか~?
るどるふさんもっと古いバイクじゃないんですか?
ももはRD50じゃないのかな~と思うけれど・・・
ちなみにももがはじめて乗ったバイクは白いタンクのCB50です。
e-451 まるでスローモーションを見てるみたいに
映像が浮かんできてしまいました。
生竹の杭がすぐ前にe-350

危機一髪でしたね…e-263
るどるふくん(さん)もバイクも
なんとか無事で良かったですi-260
あ~あ❗
やっちまいましたかぁ。
川を飛び越えて 杭に刺さらず、。
怪我はなかったのかな。
何よりでしたが 怖いですね。
危険なときって 一瞬で 色んなことが頭を駆け巡るのはどうしてなのでしょうね。
お友達の標高差500メートル、一時間半も
るどるふくんさんの お話に負けない位に
怖いわー。😅

こんばんは。

本当に危ないところでしたね。

この種の一瞬って、走馬燈のように、
それこそスローモーションで目に
浮かぶんですよね。

私は自転車で経験があります。
ふぅーー💦危ない..危ないー💦(;´・ω・)

危機一髪ーー大怪我せず良かったですね(@^^)/~~~
もも さんへ
 写真は、ヤマハのYB50です。
1970年代の実用車。
50㏄なのに、他社の90㏄並みのガタイをしていました。

RD50もかなり古い。
ももさんの年齢なら、RZ50かも知れませんね。
みけ さんへ
 実際に飛んでいた時間は1、2秒程度だったと思いますが、自分のけがの心配より、バイクを壊してしまった為に起こる災難のことを一瞬のうちに色々考えてしまいました。

 危機一髪でした。
死ぬことはなかったと思いますが、不幸中の幸いだったのかも知れません。
おこちゃん さんへ
 川を飛び越える瞬間に、下を見てしまいます。
まさしく『川の上を飛んでいる自分』がいました。
そう思った瞬間にバイクから、落ちてしまいましたが、まっすく落ちるのではなく土手に肩から落ちてしまいます。
夢もわずかな時間で、多くのことが浮かんでくるといいますが、それと全く同じ現象が起きるのかも知れません。

 自分の住んでいたところ自体が大きな盆地でしたので、そこを囲む山の頂上付近が広大な台地の町でした。
学校は、海岸から近いところに建てられていましたので、その差が約500メートルあったのです。
仰せの通り、彼が自転車で降りてくる道のりは、坂が急すぎて危険極まりない程の長い距離の傾斜でしたね。

ichan さんへ
 そうなんです。
わずか数秒の間に、いろんなことを考えてしまいました。
勉強などで、この技?が使えれば、天才的知恵者になれるかもしれませんね。

 経験有りですか。
自転車で空を飛んだ?事故つてしまった?そして、走馬燈のように、スローモーションで幾つものシーンが浮かんだんですね。
ネタバレになりますが、次回記事の内容は自転車で空を飛んだです。
おそらくichan さんが経験した事と同じような事かも知れません。
まんねんず さんへ
 そうなんです。
ついていなかったのか、ついていたのか?
どちらにしても、けがはありませんでしたが、まだ新しかったズボンは破れてしまっていました。

(⌒-⌒)⇒⇒⇒・(x ω x)・
こんにちは
バイク…空を飛ぶ…
何か嫌な予感wがしていましたがやっぱり~~~!
どうもこういう話って苦手で、今背中、からお尻のあたりがひゅーっとしてます~~(;´Д`)。
しかしけががなくって本当に良かったですよね・・・・
こんばんは。

バイクは怖いから、要注意です。
私は中型免許を持っていますが、400ccのバイクを買った
時は楽しくて嬉しくて。
そして、好奇心から飛ばしたくなります。

峠の下りで飛ばしていて、曲りの所にちょうど、砂が有り、後輪が滑って
しまい、すってんころりん。

幸い、軽傷ですみましたが、バイクは結構痛かったです。

その時はスローモーションの様に時が流れましたよ!
るどるふくんさん、こんばんは^^
ご無事で何よりでした。
それにしても、軽トラックの方は助けてくれないで、そのまま行ってしまったのですか??
ひどいと思うんですけれど~。
バイクは壊れなかったのでしょうか・・。
見張り員 さんへ
 飛んじゃいました。
スピードを出し過ぎていたせいもありますが、避けきれなかったですね。
もっと乗りなれていたなら、避けきれていたのかもしれません。
ちょっとした躊躇が、空を飛ぶ羽目になってしまいました。

(ノll゚Д゚llヽ)

この話をすると、竹杭が顔や体に刺さらなくてよかったと良く言われますが、この目の前に竹杭があった恐怖より、バイクが土手に刺さって落ちてこなかったことが大けがをせずに済んだんだと思っています。

(〃´o`)=3 フゥ
おと吉 さんへ
 おと吉さんも経験済みですか。
軽症でなにょりでした。

 やっちゃったと思った瞬間に頭の中は、猛スピードで動いているのでしよう。
それにくらべると、頭の中以外は、スローモーションのように感じるのかも。

 免許取り立ての時は乗り回したくて仕方ありませんよね。
ちょっとした油断が、事故につながることが良く理解できます。
Ariane さんへ
 おそらく、軽トラックの運転手は運転がう上手くなかつたのか、その時の私同様、免許取り立てだったのかも知れません。
そして、私が川に落ちてしまって大変なこととと思ってしまい、その場から立ち去ったのでしようか。
よくある『事故を起こした人たちが逃げてしまう心理状態』になったのかも知れませんね。

 土手に芝を貼ったばかりの出来立て状態だったからでしょう、土がとても柔らかく湿っていました。
なにしろ、バイクの前輪が突き刺さるくらいでしたから。

 これが、不幸中の幸いというのでしようか。

(ー。ー)フゥ...助かった...
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ま**** さんへ
 良かったですね。

安心しました。

(^。^;) ホッ,

それでも、もうしばらくは無理をなさらない様にして下さいませ。

 
あ**** さんへ
 小学生3年生のころから、中学生のころまで哲学書を好んで読んでいました。
そのほとんどの内容は忘れてしまいましたが、哲学と宗教の考え方は紙一重の差で、似ていて非なるものと思っております。

 これらの発想の根源は理解不能の事に辻褄を合わす為に、最も適切な発想を持って正なるものに当てはめて説いていった考えが哲学であり、その理解不能の事柄を神の行いとすることにより、辻褄合わせをした教えや考え方が宗教ではないのでしようか。
いつしか殆どの宗教は、金を得るための手段や権力を得るための手段に成り下がってしまっていますが。

 恐れ多くも研究専門家(博士?)の方だったんですね。
考え方に、理に適う部分や共感できる部分が多くあった事を嬉しく思います。

 こちらのサイトの方も、時より読んでいきます。
わざわざ、ありがとうございました。

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