③ 願いを叶える滝がある

  【願いを叶えてくれる滝の事を知る】

【兄との比較】

 私の兄が家で遊んでいるところを見る事は、稀(まれ)です。
体の弱かった私は、家の敷地から外で遊ぶ事があまりありませんでしたが、彼は違いました。
体を動かすのが好きで、運動神経も群を抜いてい良かったのです。
人付き合いもよく、男女問わずに多くの友達が次から次へと遊びに来ていました。

 私が初めて川に入ったのは、六歳の時。
初めて海に入ったのは、七歳の時です。
歩いて五分くらいのところに泳げる川が、二十分くらいのところに海があるのに。

 ボールを手にとって遊んだのも、六歳の時が初めてでした。
他の子供達が日課のようにやってきた事を、まったくやってこなかったのです。
そこには、世間の子供達が大好きな水泳や球技をまったく出来ない運動音痴に見える私がいました。

 何をやらしも無難にこなす運動神経抜群の兄との対比が、余計に、運動に関しての私を卑屈なものにして行きます。
出来ないからやらない、やらないから出来ないと云う、無間地獄のような悪循環へ突入していくのでした。

 「これではいけない」と一念発起するも、その遅れを取り戻す事は簡単ではありません。
同年生まれの子たちに出遅れた分、彼らにより早く追いつく必要を感じて、あらゆる行動を起こします。
それは、何をやるにしても人一倍の努力が必要だったと考えたからでした。

 そんな考えから、軟弱な体を鍛える方法を考えたり、実際に試して努力をしたり。
長い坂道や石段をうさぎ跳びしたり、重石(おもし)を付けて歩いてみたり、坂道を転げ落ちる事を繰り返したりと、漫画チックな事を不思議な一生懸命に努力する日々が続きます。

 当時のテレビ番組のスポ根(スポーツ根性)ものでやっていた鉄下駄(てつげた)を真似て、レンガに紐を括り付けて履いてみたり、坂道をうさぎ跳びで登ったり、大きな木のてっぺん近くの細い枝まで登ったり、ターザのように崖の上の蔦の弦にぶら下がり大きく揺らしてみたり。

【願いを叶えてくれる滝を知った話】

 そんな不可解な私の行動を観ていたからでしょうか、母が話し掛けてきました。
「神様にお願いすると、叶うこともあるのよ。」

 神様の存在自体を全く信じていない私は、
「アーメン、そーめん、冷ぞーメン。」 
思わず茶化してしまったのです。
その態度に、ふざけるなとばかりに怒りだすかと思いきや、その冗談を気にも留めず、話し続けました。

 日本には その土地土地に様々な神様がいて、その中に願いを聞いてくれる神様もいるのだとか。
世間には殆ど知られていないのだけれど、人の願いを聞き届けてくれる神様のいる滝があると言うのです。
『神様が居たとしても、願いを聞くだけなんだ』
それでも真顔の母は、
「ある滝があって、その場所に行くには、道が険しくて大人でも危ないから子供だけでいってはだめだけれど、私は願いを叶えてもらった事がある。」と。

 そんなオカルト的な話を信じていない私でしたが、自分の母の経験話には興味をそそられました。
実際に願いが叶ったと言うのならば、どんな願いが叶ったのか聞くのは、当たり前と考えたのです。
しかし、どんな願いを叶えてもらったのかを聞いても、話してはくれませんでした。
だから当然、その話を信じる事は出来ません。
それに、願いを叶えてくれる場所があると教えながら、そこに行くなと言う。
それならば、何故この話をしようとしたのでしょう。

 「何だ、それ!?」。
思わず、この言葉がこぼれてしまいます。
その言葉に反応したからでしょうか、疑われているのが嫌だったのでしょうか。
なんと、その滝の場所を教えてくれたのです。

 普通の子供だったら、願いを叶えてくれる神様のいる場所をしったのならば、その場所に行ってみたくて、ワクワクウズウズしたかも知れません。
けれど、とにかく真面目だった私は、子供だけで行ってはならないと言われていたその場所に、行く事はありませんでした。

 母は、真実を話していたのでしようか。
ただ単にその存在を知らないだけなのに、、知るべきものなどないとばかりに決め付けてしまう.。
人間は得てして不可解な存在や見たことのないモノなどに対して、そう思いたがる傾向にあります。



 しかし、願いを叶えてくれる場所があると教えながら、行くなと言う。
「何だ、それ!?。」
そう思ったのも確かな事です。

 だけど、真面目だった私は、大人になるまでその場所へ行く事はありませんでした。


 次回は、神社の事、④ 願いを叶えてくれる神社の事





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コメント

お母様のお話は
真実なような不確かなような…
でも 心に灯りをともしてくれたのは
確かなようですね。

おお(〃゚∇゚〃)
次回は いよいよあの滝のお話に!!
ドキドキします~i-176
みけ さんへ
いつもコメントを。ありがとうございます。
自分の子供が、世間の子供達とは違う変わった努力をしていたので、止めさせたかったのかもと考えました。
それとも、みけさんへ仰る通りかも知れません。

 次回記事もお楽しみにして頂き、嬉しく思います。

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